焼結現象は、固相焼結と液相存在化の焼結とに大別される。いずれの場合も緻密化の駆動力は粉末の表面自由エネルギーの減少である。超硬合金の場合はWC、TiCなどの炭化物は固相であるが、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などの結合相が液相になる液相存在下の焼結である。焼結時の昇温過程において液相が発生するが、まず液相の流動による固相粒子の再配列が行われ(再配列過程:緻密化が最も大きい)、次に固相粒子が液相に溶解して他の場所で再析出し(溶解・析出過程)、最終過程では固相粒子の成長・合体がみられる(粒成長過程)。液相焼結の最も重要な因子は固相に対する液相のぬれ性であり、ぬれ性のよい(接触角θ:小)場合、液相が固相粒子間に浸透して粒子同士を強く引き寄せるため、緻密な焼結体が得られる。
粉体粉末冶金用語辞典 より
編者:(社)粉体粉末冶金協会
発行所: 日刊工業新聞
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